トップページ 試してみたい!家でも手軽にできる「食育」のはじめ方【子供料理研究家・武田昌美さん】

試してみたい!家でも手軽にできる「食育」のはじめ方【子供料理研究家・武田昌美さん】

2歳から始められる子ども料理教室『Little chef cooking』代表の武田昌美さんに、家庭でも手軽に取り組める「食育」のコツを教えてもらいました。料理を通じてさまざまなことが学べると話す武田さんの「料理×教育」の形とは?

食育の第一歩は「卵割り」からいかが?

   
一緒に料理を始めるのに最適な時期は、“子どもが料理に興味を持った時”。早い子なら1歳半くらいから取り組めます。料理は言葉を覚えるより早く始めることができる「教育」なんですよ。

武田昌美さんレシピ本

『Little chef cooking』のレシピは文字ではなく絵。字がまだ読めない子どもでも楽しく料理に向き合える

準備や片付けを思うと、家庭で食育に取り組むのはちょっとハードルが高く感じてしまいますよね。でもそう身構えず、ちょっとしたことから始めてみてください。例えば、ご家庭での初めてのお料理なら、「卵割り」がオススメ 。卵割りには、子どもの心を成長させる要素が実はたくさんあるんです。

恐らく初めて卵を持ったお子さんはグチャっと握りつぶしたり、壊してしまうことが多いでしょう。でもそれも経験。「卵は繊細なもので壊れやすく、大切に扱わなければならない」という経験値が養われます

失敗しても、「卵はたくさんあるんだし、まあいいか」と多めに見てあげてください(笑)。トライアンドエラーを繰り返すことで、子どもなりに失敗を活かして次につなげる力 が付き、あっという間に上手に割れるようになります。

そのうち、子どもの方から「毎朝全員分の卵を割るのは私の仕事!」と言い出したり、確固たる自信 にもつながっていきます。割るのに失敗して、黄身も白身もぐちゃぐちゃになったとしても、「これで何かもう一品別のもの作ろう!」となれば、新しいアイデアを生み出す力 も鍛えられますから、むしろ失敗もどんどんさせてあげてください。

卵割り一つとっても、こんなに子どもの心を大きくすることができる仕掛けがたくさん。「料理×子どもの教育」って本当に奥が深いし、多くの可能性を秘めているんです。一緒に料理をしないなんてもったいないですよ!

自分で作った料理なら苦手な食材だってパクリ!

私は、「好き嫌い」を子どもが自分自身で克服する瞬間を見るのが一番好きです。

『Little chef cooking』でピザを作るレッスンをした時のこと。トマトもコーンもダメな子がいました。その食材が嫌いだということは事前にお母さんに聞いていましたが、私はあえて知らないフリをしていました。

一生懸命自分で生地をこねて、トッピングを考えて丁寧に盛り、ピザを焼きます。香ばしい香りと共に熱々の美味しそうなピザ、自分で頑張って作ったピザが完成しました。そしてその子は、トマトもコーンも何事もなかったかのように、ためらいもなくパクパク食べ始めます。

「おいしいー!」と満面の笑みで感想を言っている姿にお母さんもびっくり。そんな “キライ食材克服ミラクル” が料理教室では割と頻繁に起きています(笑)。こうして子どもが自力で壁を乗り越える姿は、見ているこちらも笑顔にしてくれますよね。

子どもたちに養ってほしい「社会を生き抜く力」

私は、未来ある子どもたちに料理を通じて自信を育て、社会を生き抜いていくための力 を養ってほしいという思いから料理教室を始めました。

私が考える社会で必要とされる能力とは、①達成力、②自信(自己肯定力)、③挑戦力、④コミュニケーション能力 の4つ。子どもたちに、これらの能力を料理を通じて身に付けていってもらえたらと思っています。「料理×教育=社会でのサバイバル能力」 という新しい形を確立することが、今の私の夢でもあります。

武田昌美さん

現在の幼児教育は、大人の指示を実行できる、いわゆるお利巧さんが推奨されています。でも、子どもは本来、いたずらが大好きで好奇心旺盛という素晴らしい才能を持っています。この才能を、タイミングを逃さずに育て、子ども自身が自分を誇らしく思い、自信が持てるようになってほしい。

食育を通して、子どもが一人で一から料理を行うことで得られる心の成長と共に、親御さんの「子どもに任せてみる」という心境の変化も大切にしていきたいですね。

  • Little Chef Cooking 武田昌美

    日系航空会社にて客室乗務員をしながら、各地の料理や文化に触れ見聞を広める。フランスで料理の修業をしていた父の影響を受け、幼少期より料理を学び、フードコーディネーター、食育アドバイザー、幼児食インストラクター、スパイスマイスター、食品衛生責任者の資格を取得する。
    2人の子供の母となり、子供たちに料理の楽しさを伝えたいと強く願い、2歳から始められる料理教室を開催する。